精神科の病棟看護師には、外科や内科病棟と同じくらいさまざまな仕事があります。精神科医療において一番大切なのは、きちんと薬剤を服用するかどうかです。薬剤を服用するのとしないのでは天と地くらいの差があり、確実に服用してもらう必要があります。そのため、看護師は医師が指定した時間に薬剤を服用しているかどうか確認しなければいけません。
日常の言動や行動の観察を丁寧に行うのも、精神科の病棟看護師の仕事です。精神科疾患を持つ患者は、調子が崩れてくると言葉が乱暴になったり、行動が非常に激しくなったりします。そのような傾向が見られたら、精神科医に連絡して薬剤を調整してもらうのも看護師の大切な仕事です。
昔は精神科医療といえば精神科医師と看護師だけの職場でしたが、今では精神科医療もチーム医療が行われるようになってきています。精神科医と看護師だけでなく、作業療法士や精神保健福祉士なども治療に関わってきますが、特に精神保健福祉士との関わりは非常に大切です。
精神保健福祉士は福祉側のスタッフで、退院時に家族や市役所の福祉担当スタッフなどを交えてケース会議を開催する場合があります。病棟看護師もこのケース会議に呼ばれるため、その際には患者の状態を分かりやすく精神保健福祉士をはじめとする関係者にうまく伝えなければいけません。家族が参加する場合には、専門用語を使わなずに説明することが必要です。精神科の病棟看護師には、このような役割があります。